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2006年06月08日(木)
■ あなたも洗米と浸漬は名杜氏
先日、小林酒造の「*今月のいぶし銀プレゼント企画!」に応募して、米(品種 吟風)100粒と解説書のセットを送ってもらった。4月末には届いていたのだが、なんとなく手をつけずにいた。あまり放置しておくと米が乾燥しきってしまいそうなので、解説書に従って洗米&浸漬にチャレンジしてみた。
以下、解説書の引用と実行経過の写真である。
・精米歩合35%…精米時間100時間もかけて、玄米から米の表層を削り取っていき、最終的に65%が糠になるまで磨きあげたお米の事です。
・まず、小さめのガラスコップ(背が低くて、底が広い、できるだけ小さなコップか、黒いお猪口でもあれば最高です。)に半分くらい水を入れて米の袋から10粒~20粒投入します。(いきなり100粒は、やはりもったいないし観察しにくいです。残りは記念に取って置き友達に自慢しましょう)
・水が入ったコップを1分やさしく、ゆっくり回すように振り続けます。これが洗米です。あくまでも優しく、優しく振り続けるのです。
・米粒が水で洗われて、米粒の真ん中にある【心白(しんぱく)】という白い心臓のようなものが、ハッキリ見えてきます。(心白は普段食べる飯米には無く、酒造好適米という酒専用の米品種特有のものです。心白があることで麹菌が米の内部まで食い込んでいき良質の麹ができると言われています。)
・コップの中をよく見ると、米に付着した白い糠で水が少し濁っていますよね。米粒を流さないように水だけを捨てます。
・ここから時計を用意してください。すぐに再びきれいな水を米の入ったグラスに注ぎます。この時間をしっかり頭に入れてください。水を入れると同時に首からかけたストップウォッチを『はじめっ!』とか言って押すと余計、杜氏らしくなります。
・基本的にもうグラスは振りません。たまに観察の為に揺らすくらいは結構です。約1分で、米の表面がうっすら曇ってきます。
・約2分すると、今度は、米のふちに細い白い線が現れましたね。いよいよ、水が米粒に染みこんできましたよ。徐々に緊張感を高めてください。
・約4分すると、一部の米に胴割れという現象が起き始めます。水分の少ない米粒が急激に水を吸うと、米が割れてしまう恐ろしい現象です。
・これを防ぐには、米を一ヶ月間以上、湿度の高いところに放置し、白米水分をゆっくり高めていく『米の枯らし』という気の長い作業が必要です。洗米、浸漬の時の水も米も、氷点下の温度にしなくてはなりません。(もっとも、精米技術の未熟さゆえ、最初から割れてしまっている米もあります。)
・約6~7分で、米のふちの細い白い線が太くなってきましたね。どんどん、米が水を吸っていますよ。
・約10分で浸漬は終了です。結局、ほとんど胴割れしてしまったでしょう。一方で胴割れしていない米粒は【目玉】といって、真ん中だけが白くない、鬼太郎のお父さんのような感じになっています。とっても可愛いですね。手のひらに乗せて観察しましょう。(家族の方も立派な【目玉】を一緒に喜んでくれるはずです。)
・いかがですか? この10分で洗米と浸漬を体験した訳ですが、実際には、胴割ればかりの米になってしまったのではないでしょうか? ちなみに胴割れの米粒がこんなに多いと、米が溶けやすくなり健全な発酵はかなり難しくなります。もちろん皆さんは、本物の杜氏さんではないのですから、蔵元に謝ったり、夜逃げする必要はありません。
・杜氏さんは、この胴割れを防ぐために、その年の米の出来、温度、湿度を総合的に考えて創意工夫します。
・お付き合いありがとうございました。これによって、少しでも日本酒へ興味を持ってくださったら、この上ない光栄でございます。今後とも、日本酒をよろしくお願い申し上げます。
52粒のうち、【目玉】18粒、【胴割れ】34粒であった。
勝率34.6%、これって優秀なのか、それとも駄目なのか
EOS-1D MarkII + TAMRON SP AF90mm F/2.8 Di
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