醸造に使う道具は鍋、蒸篭、計量カップ、木べら、カセットコンロなど家庭にある物ばかりで、特殊なものは無い。そして、おつまみが… 参加者は、3~5名のグループに分かれて作業を行なう。 | 醸造作業開始に先立って、乾杯の歌を皆で歌って気勢をあげる。そう、何故「酔いどれ醸造」と呼ぶかというと、飲み放題のビールを飲みながら醸すからである。一応、マースジョッキ(1リッター)を20杯が上限だけれど、そんなに飲めるわけが無いので、実質飲み放題である。
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一杯目は、季節のビール「バンベルガースペツィアル(スモークビール)」で乾杯。そして醸造作業開始。 | 仕込み工程のスタート 【1】 仕込み釜(大鍋)に1リットルカップで、4リットルのぬるま湯を入れる。
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【2】 木べらでゆっくりかき混ぜながら35℃まで温める。 | 【3】 粉砕したドンケルブレンド麦芽を、1リットルカップですり切り2カップ使用するが、まず1カップ分を用意する。
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これが今日使用するドンケルブレンド麦芽
| 【4】 ファーブ麦芽(ロースト麦芽)を10g~80g(標準は20g)粉砕して、準備しておく。 (ロースト麦芽の量と粉砕の度合いで、ロースト風味を淡くするか濃くするかを決める) |
【5】 お湯が35℃になったら火を止め、ドンケルブレンド麦芽を1リットルカップですり切り1カップ、さらにもう1カップを固まりが出来ないように静かに入れ、木べらでゆっくりかき混ぜる。
| 【6】 ドンケルブレンド麦芽を全て入れたら、粉砕したファーブ麦芽(10g~80g)を加え、1~2分間ゆっくりかき混ぜる。 |
【7】 その後、ふたをして5分間休ませる。 (セルロースが分解し、次の糖化につながる)
| ここで、ひと休み。2杯目はヴァイス。 |
【8】 5分間休ませたら、火を入れ、ゆっくりかき混ぜながら中火~強火で温度を52℃まで上げる。(15分) (1分間に1度上昇が理想)
| ここからしばらくは同じような絵なので写真省略 【9】 52℃になったら火を止め、3分間ゆっくりかき混ぜる。 【10】 そのあと、ふたをして7分間休ませる。(プロティンがアミノ酸に分解される) 【11】 7分間休ませたら、ゆっくりかき混ぜながら弱火~中火で温度を64℃まで上げる。(12分) 【12】 64℃になったら火を止め、ふたをして3分間休ませる。(マルトース(糖)に分解される) 【13】 そのあと、2分間ゆっくりかき混ぜる。 |
【14】 次に、麦芽液をレードル(おたま)と500mlカップで2リットルとり、仕込み釜2に移す。 | このあたりで、昼食が配られた。チキン、ジャーマンポテト、プレッツェル、ハムサンド、ピクルス、サラダ、フルーツ。 食べながら作業を続ける。 从リ ゚д゚ノリ ウマー
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そして3杯目はピルスナー | 【15】 仕込み釜2に移した麦芽液を、焦げ付かないようにかき混ぜながら強火~中火で沸騰するまで熱する。 【16】 沸騰したら中火~弱火にし、ゆっくりかき混ぜながら5分間煮沸する。(カラメル風味と色を引き出す)
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【17】 仕込み釜2の麦芽液を、レードルで仕込み釜1へ戻し、5分間ゆっくりかき混ぜる。(仕込み釜2は洗浄) | 【18】 温度をチェックする。ゆっくりかき混ぜながら中火~強火で72℃まで温める。72℃を超えないよう特に注意する。(74℃を超えると酵素が死に、糖化が止まってしまう) 【19】 72℃になったら、ふたをして10分間休ませる。(ここで、でんぷんが糖に分解される。(グルコース))
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【20】 ブラウマイスターによるヨードでんぷん反応チェック。(糖への分解が充分であるか) | 【21】 ブラウマイスターのOKが出たら、ゆっくりかき混ぜながら、77℃まで強火で温度を上げる。 【22】 77℃になったら火を止め、ふたをして3分間休ませる。(酵素の働きを止める) 【23】 そのあと2分間ゆっっくりかき混ぜる。 【24】 その間、ろ過釜(蒸篭)、下に仕込み釜2を用意し、ろ過の準備をする。
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4杯目は再びバンベルガースペツィアル
| トイメンのグループのOYJNさんがブーツ型ジョッキをもってやってきた。 これから「ろ過工程」に突入。 |
【25】 麦芽液を少しかき混ぜてから、ゆっくりと麦芽液をレードルで、ろ過釜(下に仕込み釜2)に移し、ろ過を始める。(麦汁と麦芽カスに分ける) 【26】 麦芽液を移し終わったら、約5分間待つ。 | 【27】 ろ過釜を仕込み釜1にのせ、仕込み釜2のろ過した麦汁をろ過釜へゆっくり戻す。 【28】 さらに20分間(めやす)ろ過する。その間、仕込み釜2で78℃のお湯を5リットル準備しておく。(仕込み釜2は洗わない)
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ここで1番絞りを味見。甘くて从リ ゚д゚ノリ ウマー | 【29】 そのあとレードルと500mlカップを使い、上から78℃のお湯を2リットル、ろ過釜の上にゆっくりかける。 (残りの糖をろ過) 【30】 10~15分間待つ。(エキス分を最大限ろ過する)
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【31】 もう一度レードルと500mlカップを使い、上から78℃のお湯を2.5リットルろ過釜の上にゆっくりかける。(残りの糖をろ過する) | 【32】 さらに20~30分間待つ。途中、ナイフで螺旋状に切れ目を入れる。(エキス分のろ過(ルーター)) 【33】 ブラウマイスターチェック(麦汁量の確認)
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3時のおやつにソーセージとザワークラウト 从リ ゚д゚ノリ ウマー いよいよ最終工程の「煮沸・ワールプール・冷却・酵母(発酵)」である。
| 【34】 ふたをし、5分おきにかき混ぜながら強火で温度を上げ、沸騰したら中火~弱火にし、1~2分間かき混ぜる。 |
【35】 そのあと一旦火を止め、1回目のホップ「ハラタウホップ」2gを加え、ゆっくりかき混ぜる。吹きこぼれに注意。(ホップの香りと旨みを加える) 【36】 ふたをして5分おきにかき混ぜながら1時間、中火~弱火で煮沸(沸騰)を続ける。ふたは少し隙間を開ける。(カラメルと黄金色を引き出すため)
| ペレット状に加工されたホップ このあたりで結構酔っ払って眠くなってきたので、私はロビーの椅子でひと眠り。 |
【37】 一時間たったら一旦火を止め、2回目のホップ「テッドナンガーホップ」を2g加え、たまにかき混ぜながら中火~弱火で10分間煮沸(沸騰)する。(ホップのアロマを引き出すために) | 【38】 10分たったら火を止め、全体を10秒間木べらでまわし、その後ふたをして10分間休ませる。これ以降は麦汁を絶対に触らない。(ワールプール---凝固物が釜底の中央に集まる)
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【39】 仕込み釜1の麦汁のうわずみを、仕込み釜2にゆっくり移します。(澱が混入しないように、コーヒーゼリーを切り取るようにすくう) | 仕込み釜1の底に残った澱 |
鍋底に残った麦汁を飲み干そうとするOYJNさん。 | 我々より先行して作業が進み、一段落してマースジョッキ(1リットル)でドンケルボックを飲むWAさん。今回の醸造体験は、WAさんにお誘い頂いた。
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【40】 蓄冷材を2枚入れ、33℃以下にする。15分前後 【41】 蓄冷材を2枚入れ換え、16℃以下にする。20~30分。(出来れば15℃まで頑張る) | 樽が用意され、醸造作業も残り僅かである。 |
| 【42】 樽にサーバーヘッドを取り付け、ロートをのせ、レードルで仕込み釜1の約半分の量の麦汁を流し込む。 (酵母が良く混ざるように、まず半分入れる) |
【43】 試験管に入った酵母をロートから流しこむ。(試験管に残った酵母には麦汁を混ぜて酵母を残らず入れる)
| 【44】 残り半分の麦汁を流しこむ。(酵母が良く混ざるように) |
【45】 ボンベから無菌の空気を入れる。(スタッフが実施) | ということで、約6時間半に及んだ全ての作業が終了した。 |
STさんが、完成した各グループの5リットル樽を掲げて、グループ毎にそれぞれが決めた醸造所名とグループ員、醸造コンセプト、感想などを読み上げた。 ちなみに、我々のグループの醸造所名は「第3回のビール」。 グループ長のOKAPさんが醸造体験参加3回目ということで名付けた。なんともヒネリもへったくれもないストレートなネーミングである。 | 途中で何度も歌っていたが、最後に改めて完成を祝して、「乾杯の歌」を合唱。 とても楽しかった、「酔いどれ醸造体験」は最高潮を迎えてお開きとなった。 |